エヴァンゲリオンの謎

エヴァンゲリオンの謎

エヴァが生んだもうひとつの 文化論“セカイ系”とは? ②

また、シンジとレイのように主人公とヒロインの関係性が世界の危機に直結する設定の作品も、この“セカイ系”に入るとされていますが、確かに最近のアニメには非常に多く見られるのです。

例えば『涼宮ハルヒの憂鬱』シリーズなどはその代表でしょう。

素直になれないツンデレのヒロイン・涼宮ハルヒは、本人が知らないうちに世界を滅亡させかねない超常現象を巻き起こす存在です。
その超常現象は主人公であるキョンとの関係性に対するハルヒの不満から生まれるのです。

そして物語はキョンの独白によって進むのですから、先の定義でいえばまさに“セカイ系”です。

また、レイが初登場時に包帯でぐるぐる巻きにされ傷ついた姿で、無理してエヴァンゲリオンに乗ろうとしたように、何かの目標に向かって傷つきながらも努力しているヒロインと、シンジのように気弱で無力な主人公という図式も“セカイ系”に分類されています。

こちらはライトノベル系の作品によく見られるパターンで、異世界で何者かと戦うヒロインが、現実世界の無力な主人公の前に突如現れるといった構成も、もはや定番となっています。

“ポストエヴァンゲリオン症候群”と病名のように言ってしまってはネガティブなイメージになってしまいますが、エヴァを彷彿させる“セカイ系”作品が多いことは、現在、第一線で活躍するクリエーターの多くがエヴァの影響を強く受けたことの証拠といえるでしょう。


エヴァが生んだもうひとつの 文化論“セカイ系”とは? ①

様々な社会現象を巻き起こしたエヴァですが、同じアニメ業界には“ポストエヴァンゲリオン症候群”とまでいわれるほどに強い影響をもたらしました。

それは“サスペンス”や“純愛もの”などと同様に、“セカイ系”という言葉で分類される物語の形式です。
“セカイ系”は近年の造語であるため、厳密な定義はありませんが、おおまかにはエヴァがシンジ、レイ、アスカなど、人類全体からすれば非常に小さな“個”を中心にして描かれているのに、彼らが世界の危機など人類に関わる大き過ぎる問題に直面しているパターンを意味しています。

物語で描かれる世界もシンジの日常が大半で、ネルフやゼーレに関することは必要最低限と非常に限定的なのも特徴のひとつです。

そうして小さな“個”であるはずのシンジはネルフの全貌すらも把握できていないにもかかわらず、「逃げちゃダメだ」の台詞からもわかるように、自分が世界の命運を背負っている存在と思い込むなど誇大妄想ともいえる部分が多いのです。
同時にシンジのように独白が多い主人公の作品も“エヴァっぽい”と言われたり、“セカイ系”に分類されているようです。

“セカイ系”にはエヴァ同様、巨大ロボットが絡む作品も多く、ごく普通の少年少女が、ただのコンピュータゲームだと思って巨大ロボットを操作し地球を襲う巨大な敵と戦う『ぼくらの』もそのひとつでしょう。


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