『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズを制作するガイナックスといえば、傑作を連発するアニメ制作会社というイメージですが、その原点がどこにあるかご存じでしょうか。

1962年から続いている日本SF大会と呼ばれるSFファンの集会があります。
その第20回は1981年に大阪で行なわれましたが、このオープニングで上映された8ミリフィルムによるアニメを制作したのが、ガイナックスの母体である大阪の学生たちを中心にした同人映像制作集団の『DAICON FILM』。
そのメンバーは初代ガイナックス社長の岡田斗司夫氏、現取締役統括本部長である武田康廣氏をはじめ、赤井孝美氏、山賀博之氏、庵野秀明氏、村濱章司氏らでした。

『DAICON FILM』は、アニメだけでなく特撮も得意としており、赤井孝美氏が監督を務め、庵野秀明氏が特撮を担当して制作された特撮スーパー戦隊ものパロディの『愛國戰隊大日本』は、そのクオリティの高さゆえに、現在アラフォー以上の世代である当時のオタクたちならば誰もが知っている作品と言っても過言ではありません。
特にオープニング曲は『太陽戦隊サンバルカン』の替え歌なのですが、冷戦当時のソ連からの脅威を面白おかしく歌った内容で、現代のようにインターネット上で動画を簡単に公開できるわけでもないのに、マニア同士がVHSビデオをダビングして広まっていった結果、当時のオタク層には歌詞カードなしでも歌える熱狂的なファンが多数いました。

そんな『DAICON FILM』のメンバーから、岡田氏が大学を中退し実家である有限会社おかだ刺繍の一部門として立ち上げたのがSFや特撮関連のグッズを扱うショップの『ゼネラルプロダクツ』です。
そして『DAICON FILM』の面々は、マニアの集まりから脱却してプロの映像集団としての活動を目指しており、『ゼネラルプロダクツ』が出資などもしていたそうです。