物語上の解釈としてはいずれも成り立ちそうに思えますが、最後の台詞が「気持ち悪い」になった理由として、その経緯がアスカの声を担当する宮村優子氏の口からはっきりと語られています。

元々、最後のセリフは「あんたなんかに殺されるのはまっぴらよ」の予定だったそうですが、どうしても庵野監督が納得できなかったため、実際にシンジ役の緒方恵美氏が馬乗りになって首を絞めてまで模索したそうなのです。

元々、庵野監督は「こういうとき、こういうことをされたらどう思う?」など声優の意見を求めて演出していたそうで、そんな経緯から宮村氏は「リアルを求めていたのかな?」とも言っています。

そして最終的には『Air』の冒頭でシンジが寝ているアスカを見てマスターベーションしたように、実際にはレイプすらも可能な状態にもかかわらず、宮村氏本人が家で寝ているときに誰かが自分を見てマスターベーションしていたらどう思うのか?と問われたというのです。

それに対する宮村氏の答えが「気持ち悪い…、ですかね」であり、庵野監督の答えは「やっぱりそうか」だったそうです。
結果、この「気持ち悪い」が最後の台詞として採用されたとのことです。
そうなるとシンジのマスターベーション説が正解のようにも思えてきますが、庵野監督の真意は何だったのでしょうか。