『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』はヒロインのラムが望んだ文化祭前日の楽しい1日が繰り返されるという設定でした。
繰り返されるうちにラムたちが生活する小さな世界である友引町は半球状の宇宙に浮く孤島のようになって世界から孤立し、ラムの友達以外は姿を消すのです。
そんな孤立した世界ながらもコンビニエンスストアには商品が補充され、ガスや水道といったライフラインも供給され続けながらも、翌日の文化祭は開催されないのです。
そして『エヴァ』以降にはループをテーマとしたアニメが非常に増えてきました。
『涼宮ハルヒの憂鬱』シリーズにおいても、ヒロインのハルヒが望む夏休みの終わりが来ないため、夏休みが繰り返される『エンドレスエイト』というエピソードがあります。
また、2011年に大ヒットしたアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』の核心部分もループがテーマとなっていました。
こちらは主人公である鹿目まどかを救い自分が望んだ未来へ進むため、時間を遡る能力を持った暁美ほむらが何度も同じ時間軸をやり直していました。
この『涼宮ハルヒの憂鬱』も『魔法少女まどか☆マギカ』もエヴァ以降の作品で、ごく普通の中高生が主人公であり、前頁の“セカイ系”に分類できる作品です。
少なからずエヴァの影響はあることでしょう。
それに対して『ドラえもん』や『うる星やつら』は1984年とエヴァ以前です。
庵野監督はもちろん、エヴァ制作陣がこれらからヒントを得ていたと考えるならば、先の仮説通り、エヴァはループしている物語だという仮説を強めることにもなるのではないでしょうか。