エヴァンゲリオンの謎

エヴァンゲリオンの謎

第一章

新劇場版から多用される“虹” の演出の意味とは? ②

神との契約で虹が出るのならば、“新ヱヴァ”の虹も何かの契約の証と考えられます。
では、その何かとは? 当然、『裏死海文書』でしょう。
裏死海文書に書かれている事項を実行すると、契約の証として虹が発現するのではないでしょうか。

では、なぜ使徒殲滅時だけではなくて、シンジとレイの接触時にも虹は出るのでしょう?
“旧エヴァ”のレイは確かに使徒に属するものでしたが、“新ヱヴァ”のレイはまだそれすらも不明です。

神話的に考えると、虹にもうひとつの意味が与えられており、虹=蛇です。
この場合の蛇は龍と考えても良いです。
世界の神話の多くには、天地創造の要に蛇が登場します。
一番わかりやすいのは、自分のしっぽをくわえて世界を抱え込む『ウロボロスの図』。
世界が循環していることを示し、人はその中でくるくると輪廻転生を繰り返しています。
これは“新ヱヴァ”のループ説とも合致します。

つまり、神の元へたどり着く、もしくは神になろうとするなら、この世界を抱え込む蛇を打ち破らなければいけないのです。
それでこそ閉じて循環する世界から解脱できます。
使徒の『形象崩壊』時に虹が確認できるのは、世界を抱え込む蛇(=虹)を打ち破った証拠なのかもしれません。
打ち破るのはおそらくシンジの役目なのでしょう。
シンジとレイの接触時にも虹が出るのは、レイが使徒に属す証拠であり、彼女の閉じた殻をシンジが打ち破った証と考えられます。
それがレイの感情の発露に結びついているのかもしれません。
『Q』ではおそらく、使徒に属するカヲルとシンジのコンタクトが予想されます。
その時にも虹は発現するのでしょうか。
注目したいところです。

新劇場版から多用される“虹” の演出の意味とは? ①

“新ヱヴァ”になってから多用されるようになったモチーフに“虹”があります。
劇中の至るところで、虹が発現しているのです。
『序』の劇場版公開時に確認された虹の発現箇所は以下です。

壱→シンジとレイの体が触れ合った時
弐→第4の使徒殲滅後、第5の使徒殲滅後
参→エンドクレジット

なお、『序』のDVD、Blu-rayでは、第6の使徒殲滅時にも虹が追加。
『破』でもすべての使徒殲滅時に虹が出ていました。
また『序』のポスターには作品のキーワードが羅列されていますが、そこにも虹の単語が載っています。
この数多くの虹が指し示すものは何でしょうか?
旧約聖書では、虹は“契約の証”とされ、聖書創世記で神は箱船にノアとその一族、つがいの動物たちを乗せ、それ以外を洪水で流してしまいました。
有名な「ノアの箱船」の話です。

その後、神は再び洪水で世界を滅ぼさないことを約束。
その契約の証として、雲の中に虹を立てました。
すなわち、
「さらに神はいわれた。『あなたたちならびにあなたたちと共にいるすべての生き物と、代々とこしえにわたしが立てる契約のしるしはこれである。すなわち、わたしは雲の中にわたしの虹を置く。これはわたしと大地の間に立てた契約のしるしとなる』」(『創世記(9:12s-9:13)』)

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