エヴァンゲリオンの謎

エヴァンゲリオンの謎

第二章

「これはリリス…」カヲルが 発した言葉の真実とは? ②

カヲルがセントラルドグマを下りているとき、「エヴァシリーズ……アダムより生まれし忌むべき存在。 それを利用してまで生き延びようとするリリン。 僕にはわからないよ」と語っています。
旧約聖書では、リリスはアダムのもとを去り、ルシファーと交わって、悪魔リリンを産んでいます。
この関係性はエヴァの世界でも同じですので、カヲルには、人間(リリン)が、相容れない存在であるアダムから作ったエヴァを使ってまで生き延びようとする気持ちがわからなかったのです。

ですが、シンジと触れあい、人間の中に、生命の実を食べて永遠の命を得たカヲルたち使徒にはない「未来」を見たことや、アダムではなくリリスが存在することを知って、ゼーレやゲンドウの推し進めるリリスを「よりしろ」とした人類補完計画の全貌が掴めたことから、「そうか、そういうことかリリン」と呟き、自分が魅(ひ)かれた、もがき苦しみながらも、未来に希望を持ち続ける人類に、道を譲る決心をしたのでしょう。

たとえそれが自分の死に繋がることであろうとも。
なお、カヲルがセントラルドグマに侵入した際、キール議長が「初号機による遂行を願うぞ」と言っていますが、これは、旧劇場版で「エヴァンゲリオン初号機パイロットの欠けた自我をもって人々の補完を」という言葉に表されているように、人類補完計画を完遂するためにはシンジの自我が邪魔だったため、友人でもあったカヲルをその手で殺させることにより、彼の自我をあらかじめ崩壊させておくことが目的だったと思われます。
本来なら、第17番目の使徒を倒した後にシンジを抹殺するつもりだったのかもしれませんが、それが失敗したときのために保険をかけておいたというところでしょうか。


「これはリリス…」カヲルが 発した言葉の真実とは? ①

第弐拾四話において、第17番目の使徒であるカヲルは、パイロット不在の弐号機を従え、セントラルドグマを下りていきます。
シンジが初号機でカヲルと弐号機を追いかけますが、シンジは弐号機に阻まれ、ついにカヲル(使徒)が、ネルフ本部最深部のターミナルドグマへとたどり着いてしまいます。
サードインパクトが起こされようとしたそのとき、カヲルは「違う、これはリリス。 そうか、そういうことかリリン」とつぶやき、シンジ(人間)に滅ぼされる道を選びました。
彼のこの言葉の真の意味はどういうことだったのでしょうか。

カヲルがその問題の言葉を発する直前、彼は「我らの母たる存在、アダムに生まれし者はアダムに帰らねばならないのか…」と言っています。
しかし実際は、ネルフ本部のターミナルドグマに磔となっていたのは、アダムではなくリリスでした。
カヲルは自分を送り込んだゼーレから、ネルフ本部にあるのはアダムだと騙されていた、または隠されていたのです。

使徒は、生命の樹を人類の手から守る怪物“ケルビム”にあたると考えられます。
そのため、使徒はアダムへと胎内回帰し、サードインパクトを起こして、地球の支配者となるために人類を滅亡させようとしています。
当然、カヲルの目的もそうだったわけですが、セントラルドグマに磔となっていたのがリリスとわかり、そこで、彼はすべてを理解したのです。


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