エヴァンゲリオンの謎

エヴァンゲリオンの謎

第八章

すべてのエヴァは“ループ”中の エピソードとして説明できる? ②

これらのエヴァ関連作品に様々な差異があることは、別の作品であるからと言ってしまえば簡単に説明がつきますが、本書の考察どおり、“旧エヴァ”“新ヱヴァ”がループしている時間軸の中での“違い”だとする説を強める根拠とも考えられます。

貞本義行氏による『新世紀エヴァンゲリオン』においては、アニメでのループの際には接点のなかったアスカとゲンドウが、漫画のループでは接触しています。
また、『ぷちえゔぁ』では、ミサトがネルフに入ろうとしなかったことなどが、ループ世界の設定のひとつともいえるでしょう。

赤い海や巨人の白線などをはじめ、“旧エヴァ”と“新ヱヴァ”にも様々な差異が見受けられます。
これらは他の派生作品同様、ループだからこその差異とも考えられるのではないでしょうか。

先に紹介したアニメにおけるループ設定の原点ともいえる『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』では、世界をループさせている“傍観者”ともいえる“夢邪鬼(むじゃき)”という妖怪がいました。
つまりこれは、『エヴァ』における「傍観者=カヲル」という説とも繋がってくるように感じられます。
“新ヱヴァ”でカヲルがシンジに向けて放った言葉「また3番目とはね、変わらないな、君は」が、それを物語っています。
そして彼は、“ループした世界”からシンジを“脱出”させることが最終目的であるかのような台詞も残しているのです。

「今度こそ、君だけは幸せにしてみせるよ」と……。


すべてのエヴァは“ループ”中の エピソードとして説明できる? ①

『新世紀エヴァンゲリオン』には“旧エヴァ”、“新ヱヴァ”だけでなく数多くの派生作品があります。

まず挙げられるのは貞本義行氏による漫画作品の『新世紀エヴァンゲリオン』です。

こちらではアニメとは違って、ある程度は自立した意識を持つシンジがいたり、アニメ版ではなかったゲンドウとアスカの会話シーンがあるなど、“もうひとつのエヴァ”ともいえる内容となっています。

また、漫画作品としてはデフォルメされたキャラクターで描かれるギャグマンガの『ぷちえゔぁ』もあります。
こちらはレイが“綾波レイ三姉妹”として複数存在していたり、ミサトが国語教師であったりと、ギャグ漫画である以上に設定が違っているのが特徴です。

もちろん、漫画作品だけでなく、エヴァのゲーム作品も多々存在しています。

その中でも異質なのが、1999年に発売されたパソコン用ゲームソフトの『エヴァと愉快な仲間たち脱衣補完計画!』でしょう。

こちらはタイトルからもわかる通り、“脱衣”できるのが特徴です。

前年の1998年にセガサターン、プレイステーションの各ハードで『新世紀エヴァンゲリオンエヴァと愉快な仲間たち』というタイトルの麻雀ゲームが発売されていたのですが、それに脱衣要素を加えたものがパソコンゲームとして発売されたものでした。ちなみに“愉快な仲間たち”としてエヴァのキャラ以外にも『トップをねらえ!』のキャラクターも登場しています。


最新記事
メッセージ

名前
メール
本文